ボルサ

 メモ帳、ボールペン2種類、財布、名刺入れ、携帯電話2種類、万歩計、鍵束、ハンカチ、ポケットティッシュ、目薬、日程表、職員名簿、本日の時間割、それに次の会合に関する資料を4つに折ったもの・・・大体いつも私のポケットにはこれだけのものが入っています。入れすぎてポケットが膨らんで格好悪く、家内にやめなさいと言われるのですが、やめません。TV番組などの撮影の時はあんまりみっともないので中身を出して下さいと言われ、その時だけ立ち会っている職員に預けるのですが、最近は心得たもので、小さな紙の手提げ袋を用意してくれています。
 何故そんなにポケットに入れるかというと、ポケットに入れておいたら失くさないからです。逆に、手に持っていたり手提げポーチとかカバンとかに入れて持っていると、すぐどこかに置いてくるのです。私は聖徳太子と違って、一時に多くのことに気が回りません。大抵は何かに熱中しているので、身の回りのことなどに気が回らないのです。はっきり言うと軽率な性格です。それを自覚して、何でもとにかく身に付けるようにしたのはもう40年も前からです。ポーチとかカバンとかを使いこなして、しかもそれを置き忘れてくることがない人は本当に羨ましいと思います。
 めったに行きませんが、洋服を買いに行ったりすると困ります。寸法を測るから洋服の中に入って膨らんでいる物を出してくれと、店員さんがよく言うのです。今から早20年以上前イタリアのミラノに住んでいました。ファッションの本場ですから、たまには洋服も買いに行きます。そこで、ポケットの中味を出して、実寸を測らせてくれということになりました。すると出るわ出るわ、ドラえもんに次ぐぐらい色々出たので、店員さんが叫びました。「Oh Borsa!!」Borsaはイタリア語でハンドバッグの事です。