5月13日、世界的に権威のある旅行ガイド、ミシュラングリーンガイドの改訂版が出ました。そこで、熊野古道や熊野3山、那智の滝が最高評価である3つ星に位置付けられました。従来は高野山が3つ星、熊野は2つ星で、和歌山の誇る世界遺産紀伊半島の霊場と参詣道のうち高野に比べ熊野の評価が遅れていたのですが、これでようやく、バランスのとれた、しかも最高の評価をもらえたわけです。
ミシュランのグリーンガイドは世界の中では最も評価の高いガイドブックで、しかも文化的背景とかレベルの高い内容がいっぱい入っているので、世界中の旅行好きの人々が愛読しています。
私もヨーロッパに勤務していた時、ちょうど日本語版が出たので、イタリア編とかプロバンス(南フランス)編とかを買い込んで読みふけったものです。
高野山には、フランス人がどっさり来られます。最近ではつられて欧米人、さらにはアジアの人々も増えてきました。文化の中心としてのフランスへの尊敬の念は欧米では強いですから、こういう連鎖が期待できるのです。特に、欧米先進国の人々やアジアでも所得が高く、教養程度の高い人々の間には、激しい経済生活の反映でしょうか、逆に精神性を感じられる所に旅したいという気持ちが強くなっています。そういう時にミシュランが少し前から高野山を3つ星にしてくれたということが、フランス人が高野山を目指し、それが他のヨーロッパ人さらには日本人の間にも拡がりを見たきっかけになっていると思います。
それが次は熊野です。これをきっかけにじわじわと外国人が熊野に来ることも増えるでしょう。既に当県の努力もあって、熊野は世界遺産登録の年以来のブームになりつつあります。パワースポットとしてあるいは山ガール、健康登山愛好者のメッカとしてどんどん雑誌やマスコミに取り上げられています。
そのブームにさらに火がつくきっかけに今回のミシュラングリーンガイドの3つ星指定がなればよいなあと思う次第です。この3つ星指定の裏には、私も色々としゃべりたいことが実はどっさりあるのですが、今はただ皆さんと共にこの指定を喜び、皆さんと一緒にさらに観光地としての熊野にみがきをかけるよう努力をしたいと思います。例えばインフラや外国語対応、あるいはおもてなしの心など、我々にはまだやらなければならないことがたくさんあります。