那智の火祭り

 那智の火祭りに参加させてもらいました。正確には熊野那智大社例大祭(扇祭り)と言いますが、火祭りの方が全国的に有名になっていますので、そう使います。
 和歌山は歴史が長い所ですし、民力が昔は結構あった所なので、各地で伝統のお祭りがあり、これに参加させていただくことは大変楽しいものがあります。知事の所管は全県下ですから、各地の様々なお祭りに行かせてもらうこともでき、これは役得だと思います。各地共に大いに工夫がなされていて、これを長い期間盛りたててきた地元の皆さんの努力が偲ばれます。いかに素晴らしいお祭りでも1カ所のお祭りに毎年行くのは、県内にたくさんのお祭りがありますので無理なので、何年かおきに行かせてもらって出来るだけ多くの地域に出かけるようにしています。
 その中でも那智の火祭りは、ずっと行きたいと思っていましたが、7月14日と決められていて、ウィークデーの場合が多く様々な仕事があったり、海外や全国知事会に出かけていたりと、ずっと出席することがかないませんでした。そして、今年、ついに参加させてもらいました。折から三連休の中日で多くの観光客も来て下さいました。その中で、神事に引き続き、昨年ユネスコ無形文化遺産の代表一覧表に記載された『那智の田楽』の披露があり、そして天を衝く十二体の扇神輿と、見るからに重そうな十二本の大松明に続いて朝日宮司を筆頭に神社総代の方々に混じって私も山を降りて、御滝に向かいました。そして、大松明に火が付き、大松明をかついだ白装束の神役の人達が扇神輿を迎えに行くのです。思わず見とれてしまうぐらい勇壮で、厳粛で、華やかな火の行進でした。

 和歌山には伝統に彩られた素晴らしいお祭りがたくさんあります。これからも、あちらこちらと行かせてもらって地元の皆さんに楽しみを少し分けてもらおうかと思いますが、一方、そんな素晴らしいお祭りを全国、全世界にアピールして観光客にもっと和歌山に来てもらうようにするのが私の仕事かとも思います。