君は熊楠を読んだか

 今年は南方熊楠生誕150年、白浜の南方熊楠記念館もいいものが出来、谷脇館長が張り切ってアピールしていますし、田辺の南方熊楠顕彰館も頑張っています。この機に乗じて、県でもさらにPRをして、熊楠ブームをあおろうと色々と工夫をしているところです。

 ところが、最近愕然とした事があって、県庁の職員特に若手職員に「南方熊楠、名前は聞いていますがどんな人ですかねえ」というような人がいる事を発見しました。そこで、そういう職員には、水木しげるのマンガ「猫楠」を是非読めと勧めたところです。面白い顔した南方熊楠の飼い猫が主人公で、いわばナレーション役とか、舞台回し役とかで登場し、南方熊楠の偉い事、むちゃくちゃな事、田辺市民との親しい関係、神社合祀令反対の大立ち回り、孫文との友情とかを紹介するのです。文庫本一冊のボリュームですから、南方熊楠入門書としては最適です。皆さん是非読んで下さい。
 私ももちろん読んでいますが、実は、知事になって間なしの頃南方熊楠顕彰館を訪問させていただいた時、時の館長の中瀬喜陽さんが、南方熊楠を理解するには、これが一番良いですよと言ってくれたのがきっかけです。
 ただし、私の知識も大したことはありませんが、自らの名誉のために言っておきますとその時既に私は神坂次郎さんの「しばられた巨人南方熊楠」などいくつかを読んでいましたから、全くそれ何?と言うわけではありませんでしたが。

 熊楠に限らず、我らがふるさと和歌山の事をどんどん勉強しましょう。