出馬表明 その2

 3月2日の県議会本会議で、前回の発言を行った後、記者団に囲まれ、次のように見解を述べておりますのでこれらもお届けします。
 どうぞよろしくお願いします。

日経新聞:知事、先ほど議会の方で4選出馬への意向を表明されましたけれども、改めて、そのような意向を固められた理由を教えてください。

知事:議会で申し上げたとおりなんですけれども、私も12年やらせていただいて、一生懸命やってきましたけれども、成果が出ているところもあるなあとは思うものの、まだまだこれからも頑張っていかないといけないなあと思うところもあります。そういうところを和歌山県としては達成をしていかないといけないんですけれども、そのために私がやらせていただけるというのが、自分としてはいいんじゃないかなあというふうに思いました。議会にもそのように申し上げて、それで県民の皆さんに、まだ選挙はずっと先ですけれども、それまで残された任期を一生懸命やり、その上で、また、やってまいりたいと思います。

NHK:今後、政党の推薦関係などは、どうお考えでしょうか。

知事:自由民主党については既に推薦を決めていただいておりますが、公明党にもお願いに行きたいと思っておりますし、そのほか、前回の選挙の時に応援していただいた方々にも、できましたらまた応援していただきたいと思っております。

毎日新聞:4期目で、もしあるとしたら、目標であったりとか。

知事:目標って何ですか。

毎日新聞:必ずこれを成し遂げたいとか。

知事:私は、別に、政治家としての目標と、それから知事としての目標が違っているわけではないので、今、目標を言いなさいと言われたら、長計で書いてあることが一番の目標ですね。今のタイミングとしては。もうちょっと時間が経ってくると、別のこともまた考え直さないといけないのかもしれませんが、まだ長計が出来てから1年経ってないぐらいですからね。ですから、そういう意味では長計に書いてある目標ですね。そういうものを達成するために今一生懸命やっているというのが、今もそうだし、次の期の目標でもあると思います。

毎日新聞:次の期は、集大成と言えるのでしょうか。

知事:まあ、毎日が集大成です。

産経新聞:先ほど山田先生も仰ってましたけれども、知事が行政手腕にものすごく長けているのは我々も承知してますけれども、一方で、4選は多選に当たると思うのですが、その多選についてはどのように考えられますか。

知事:基本的にはですね、そんなものすごい多選というのはあまりよろしくないと思います。なぜかと言うと、やっぱり、緊張感がなくなる可能性もあります。それから、もっと能力がある人が出て来られたら、その人がやればもっと良くなる可能性がありますね。そういう意味では、緊張感がなくなり、マンネリ化するおそれが多選にはあるから、基本的にはあんまりよくないというふうに思います。ただ、かと言って、じゃあ、ある状況のもとにおいて、何回かやったから、次はその人でない方が良いかというのはまた別の問題なので。にも関わらず、もっとずっとやった方が良いんじゃないかという人がたくさんいる。
私自身に関しては、常に自省をしているところなんですけれども、多分この状況においては、もう1期やらせていただいた方がいいんじゃないか。和歌山県が今後発展していく上では、よりプラスじゃないかというふうに思いました。ただ、いつもそう思うかどうかは、それは分からいですけれども、少なくとも現在においては、もう1期やらせていただいた方が和歌山にとって正しいんじゃないかと。自分自身がやりたいとか何とかだけじゃなくて、それは冷静に判断をしたつもりであります。

産経新聞:既に、去年の11月に、相手候補、自民党の県連役員でもある大江さんが出馬表明されたわけなんですけれども、改めて、相手候補に関してはどのように考えられますか。

知事:前に申し上げましたけれども、大江さんは和歌山にとって、一つあげれば、「和歌山の高速道路はいるんだ」ということを、あの絶頂期「コンクリートから人へ」で、誰もそういうことが言えなかった時期に言ってくださった人だというふうに思っています。したがって、割合、評価をする人が少なかった中で、私はずっと応援をして、参議院議員に出られましたけど、本当は全国区の参議院議員って応援しにくいんですね。と言うのは、同じ政党から分野別にたくさん出ておられますからね。だけど、大江さんに関しては特別だからということで応援してきましたから、「あれれれれ」と思いましたけど、そこは大江さんのお考えですから、もしお出になったら選挙で県民の真意を問うしか無いんじゃないかと思いますね。

読売新聞:選挙が近づいてきてからになるかもしれないんですけれども、ご自身としてはどんなことを県民に訴えかけていかれるのでしょうか。

知事:ちょっと答えにくい。

読売新聞:つまり、仁坂知事が4選をめざして出馬する。

知事:だから、それはさっきも言ったように、元気な和歌山を、もっと元気にしていくためには、あるいは達成していくためには、それは具体的に長計に書いてあることですけれども、そういうのを一生懸命、弛まず、頑張りますと。どうぞ皆さん、信じて選んでください。というようなことを言うしかないんじゃないでしょうかね。

読売新聞:特に今、新しく、長期総合計画に無いようなことはありますか。

知事:ありませんね。いつも言っているように、いつが集大成とか何とかじゃなくて、毎日が集大成で、全力投球で、長計を作ったときも全力投球で、大きく言うとそういうことですね。ただ、長計に書かれてないようなことで、日常的にたくさんのことが起こりますから、それはその都度解決していかないといけないですね。だけど、選挙で訴えるような大きな話としては、それは長計に書いてあるようなことをちゃんと実現して、和歌山を元気にしますと、こういうことしか無いんじゃないでしょうか。

読売新聞:推薦関係なんですけれども、推薦願いというか依頼しているのは、今は。

知事:依頼しているのは、今、公明党にはお願いに行きました。まだ他は行ってません。永久に行かないとか、そんなのではなくて、現状はそんなことです。

読売新聞:前回はなかったんですけれども、希望の党は。

知事:それはいろいろ考えて、前回応援していただいた人は、また応援していただいたらいいんじゃないかというふうに思います。今はややこしいですよね。

読売新聞:岸本さんは、依頼があったら応援をしますと・・・

知事:もちろんそういう意味ではありがたいと思っておりますから、別に、私の方から言う必要は無いんでね。

紀伊民報:立候補はいつ決断されたのでしょうか。

知事:まあ、かなり前ですね。

紀伊民報:大体いつ頃ですか。

知事:かなり、ものすごく前ですね。

紀伊民報:大江さんが出馬表明される前から

知事:ええ。はるか前から。やっぱり、勝手に、勝手にと言ったらおかしいですけど、議会で今日のように問われて表明するというのは、一種の礼儀、あるいは、もうちょっと砕けて言えば「伝統」ですよね。ですから、私は、その伝統とか礼儀とか、そういうものについては、割合、重んじるタイプなので、そのようにしようと思ってました。だけど、大江さんの出馬で、かなり、何と言うか、相場が違ってきていたということは事実でしょうね。皆さん(マスコミの方)からワンワン聞かれるようになったし。本当だったらそんなこと聞きませんよね。その時点ではね。まだ1年以上あったわけですからね。ですから、ちょっと相場観が違っちゃって、何か変なことになったなあという印象、思いではありましたね。まあ、ずっと決めてました。

毎日新聞:大江さんからの指摘というか、知事のリーダーシップの強さ、あるいは、押しの強さが、職員の中で、県庁内で不満に繋がっているんじゃないかであったりとか、モチベーションを下げているんじゃないかという指摘があったのですが、どのように思われますか。

知事:僕がどういうふうに下げていますかね。

毎日新聞:押しが強ければ・・・

知事:いやいや、それは、「問答無用だな。止め。」と言ったらそうなるでしょうね。ところが、私は逆のことを言っているんですね。みんなで考えようと。自分で意見を言いなさいと。で、むしろ、「どうしますか」と言ってきたら、「あなたはどう思うか」ということを一生懸命聞くように、今しているんですね。だから、全く逆ですよね。

毎日新聞:その指摘は当たらないと。

知事:当たらないって、どこが当たってますかね。ただ、ひょっとしたら言えない人がいるかも知れませんね。考えてない、あるいは、言えない。そういう言えない人がひょっとしたら、「自分が言えなくて恥ずかしい」と言いたくないから、「知事が怖くて言えない」と言ってるかもしれないね。

毎日新聞:今後、選挙戦を迎える中で、そういった指摘に対して、特に何か自分の・・・

知事:全くありませんね。だって、そんなもの、県庁の職員一人ひとりが全部証人ですもんね。何か「聞いてやらない」と言って、「意見なんか言わせてくれなかった」という話があったら、そしたら、是非取材してきてください。そのときに、さっき言ったようなバイアスはかかっているかもしれないね。人間っていうのはやっぱり、自分の格好を守るために、いろいろな脚色をしますからね。それは皆さんもよく真贋を確かめながら、いろいろ取材されたらいいんじゃないですかね。

読売新聞:また、大江さんの主張なんですが、官僚出身の知事が続いているということで、なかなか県民の声が届かないのでは無いかと。そこで自分が受け皿になりたいというような主張しているんですけど。

知事:何とか出身とか、何とかというは、私は一種の差別なんじゃないかなと思います。生まれや門地、そういうこと、あるいは前職とか、そういうのは差別するのと同じような意味でいかんなあと思うんですね。例えば、官僚であれば、行政をずっとやってきた技術があるでしょう。私はありますよ。それは。だけど、官僚をやらなかった人に対して、そういう人、非官僚は、そういう技術は無いはずだといって決めつけるのは間違いですよね。勉強すれば、それはそんなのすぐに身につくし、人に聞けばいいわけですよ。それでそれを見抜けばいいので、別に官僚をやってなければ行政ができないというわけではないでしょ。同じように、「官僚をやっていれば必ずこうなるぞ」というのは、それは一種の差別ですね。そういう発想というのは本当に良くないと私は思いますけどね。