和歌山県は高齢化比率の高い県ですが、特に一人暮らしの高齢者の世帯が多い県であります。昔々ならば、隣近所も賑やかですから、一人暮らしのお年寄りが体調が悪くなったような時でも、近所の人々がぱっと気が付いて然るべき連絡をしてくれたと思うのですが、今の世では、中山間部は過疎ですから、そもそも近くに人が住んでいない可能性があるし、町の中でも、人々がそれぞれ孤立して住んでいて、隣近所の方が気が付いてあげるという可能性はうんと低くなっていると思います。
人間は誰でも気分が悪くなったり、体調がうんと悪くなったり、重病になったりすることはあると思いますが、その時家族なり、近所の方なりが気付いてうまく世話をしてあげたら大事に至らなくても、それが期待できない一人暮らしのお年寄りなどがそうなったりすると大変です。処置が遅くなって命に係わることもあるでしょうし、もっと悲惨なのは、お亡くなりになった後、誰も気が付かないで放置されるということかと思います。
そこで和歌山県では2つの事を始めました。
1つは、地区の有力者、あるいは民生委員などをして下さっていた人に、地域のお年寄りなどが大変なことになっていないか見守ってもらう地域見守り協力員制度を作りました。
もう1つは、新聞、郵便など、様々な職種の方々が、個別のお宅を訪問する仕事をしておられるのですが、こういう方々にお願いして、これはちょっとおかしいと思った時に市町村や警察などの当局に大至急知らせてもらう制度を作ったことです。これを民間事業者との見守り協力制度と言うのですが、何回かに分けて、協力してくれる組織をどんどん増やしていっておりまして、今や次のような団体・企業の方々が、お届け物や集金や検針にお宅を訪問したとき、異変に気付いたら報告してもらえるようになっています。
団体名
・関西電力株式会社和歌山支店
・JAグループ和歌山(県内全JA)
・社団法人日本新聞販売協会和歌山支部・紀北支部・紀南支部
・日本郵便株式会社(県内全郵便局)
・和歌山ヤクルト販売株式会社
・佐川急便株式会社和歌山営業所
・西濃運輸株式会社和歌山支店
・ヤマト運輸株式会社和歌山主管支店
・一般社団法人和歌山県LPガス協会
・わかやま市民生活協同組合
前者は平成21年度から、後者は平成25年度から始めましたが、お陰様で皆さん大活躍をして下さり、多くのお年寄りの命を救ったりして下さいました。
そのご尽力に敬意を表し、感謝を申し上げるために、10月24日「高齢者等の見守り活動功績者」24人に対する知事感謝状の授与式を県庁正庁で行わせていただきました。
本当にありがとうございました。
皆さんとともに、このようなご尽力をして下さった方々にお礼を申し上げたいと思います。
以下にそのような恩人の功績を記します。
協定締結民間事業者の社員・会員等(人命救助に関わった方)