新型コロナウイルス感染症については、あの済生会有田病院の集団感染とその周辺、それにクルーズ船対応に参加したDMAT隊員のほかは、しばらく沈静化していて、その後大阪のライブハウス由来の人などそれぞれ独立した感染者が発見されたのですが、3月18日と19日 和歌山市役所の職員が2人感染していることが判明しました。
2人とも重症ではありませんが、別々の課の市役所9階に勤めている人で、ひょっとしたら、今度は庁内感染が起きてはいないかという懸念があります。2人は行動を伴にしているわけでもなく、かつ、感染源と思われる人又は場所との接触が今の所判明していないそうです。済生会有田病院の後は、それぞれの患者さんの感染源と思われるルートが明らかでかつ行動履歴も分かりますので、あとは、2次感染を防げば拡散しないというわけですから、速やかな対策をとって今まで拡散を防いできたのですが、今回は、感染源がわからない、しかも職場という空間で2人感染しているという点で、済生会有田病院と似ています。
しかし、あの時もPCR検査と周辺の聞き込みを合わせて感染の拡大がないことを証明していったのですが、今回も、尾花市長の号令一下市役所の迅速な対応が急ピッチで進行中ですので、何とか感染の爆発を防ぐことを期待したいと思います。もちろん県庁もバックアップして、検体の採取や分析や、周辺の市町村での対応、市役所が人手が足りなかった時の助力など体制を整えています。記者会見は、市役所内の隔離や消毒など市長が直接決定して遂行しなければならないことが多くあるので、今までと違って、市長に全部おまかせしました。もちろん、大筋の打合わせはいつも電話でしています。
私から見ると救いは2つあります。1つは、3月18日の最初の感染者の発見は割合早かったことです。これは和歌山県が行っている肺炎をメルクマールとするPCR検査が効いたと思います。風邪かなと思ってかかったクリニックの医師がちょっとおかしいと思ったら肺炎を疑って、肺炎だったら保健所を通じて和歌山県庁に連絡してもらってPCR検査をするという発見システムで、これで今回の1人は発見されました。この人の場合は一度は陰性と出て、それでも変だと行った2度目の検査で陽性が判明したということです。したがってその間この人は自宅で静養しておられたので、他に感染を引き起こすリスクは少なかったわけで、かつ、陽性判明後は家族やクリニック関係者の徹底したPCR検査をしましたが、全員陰性でした。第2の人の場合、症状が軽く、第1の人と同じメカニズムで発見されたのではなく、市役所の一斉調査で発見されたわけであります。
第2の人の感染が判明したので、庁内感染が拡がっていないことを実証するために、市役所は徹底した対策をとっていて、県市合わせてスピーディーに対応したいと思います。幸い3連休だったこともあり、市役所という、市民生活にとってとても大事な機能が損なわれている度合が少なくてすんでいますが、何とか一日も早く市役所の復活を果たしたいと思っています。
3月21日朝現在で市役所のPCR検査は全て陰性と出ていて、あとは全職員中健康調査によって必要と思われる人のPCR検査、感染症にかかった人との軽い接触者と陰性の方々の経過観察という状況です。このまま新規感染がないことを祈りたいと思います。