関西広域連合について

 11月25日、関西広域連合は設立10周年を迎え、記念式典とシンポジウムが行われました。それに先立ち、臨時の広域連合委員会が開かれ、井戸敏三連合長の勇退に伴い、私が連合長に選ばれ、連合長として12月4日からの2年間、関西広域連合を率いるということになりました。
 関西広域連合は県レベルでは初めての広域連合でありまして、関西の各府県と政令指定都市が参加しています。これができた10年前も、経済や交通の発達により、明治時代に定まった都道府県をこえる行政課題が増加し、経済界などからは、県のバラバラな行政が発展を阻害するので、県を廃止して道州に統合せよというような意見が強くなってきていました。
 しかし、一方では、県があるからこそ守られてきたそれぞれの地方の生活が、取り残されてしまうのではないかという懸念の声もありました。そこで、県は残しながら、広域で連携協力して行政ニーズに応えるため、広域連合の制度を活用して連合体を作ろうとして出来上がったのが、関西広域連合でありました。
 関西は一つ一つと揶揄された状態から、団結して東京と並ぶ国の双眼構造の1つの核をめざそうという理想もあり、地方分権の一つとして国の出先機関の移管を受ける受皿となろうという目論見もありました。
 その目論見は実現していませんが、井戸連合長のリーダーシップのもと、ドクターヘリの統合運用、東日本大震災の際のカウンターパート支援、紀伊半島大水害への救援、広域インフラの目標、北陸新幹線の促進、コロナ対策の協力など、様々な広域行政が実現し、さらに、各首長が随時集まって、次なる協力をいかにするか意見交換をし、迅速に対応できる体制ができています。
 この10年間、私は副連合長として井戸連合長を支えてまいりましたが、井戸連合長のリーダーとしての献身ぶりには頭が下がる思いです。私も関西の発展のため、関西広域連合の深化のためがんばりたいと思います。