私の和歌山県知事の任期は12月16日までです。県民の皆さんに知事に選んでいただいてからはや16年、その間、それまでの経済産業省をはじめとする官界の経験やブルネイ大使を含む海外の経験を活(い)かし、わき目もふらず県政に全力投球をしてまいりましたが、生まれ故郷のために尽くす機会をいただけたことは、私にとっては本当に幸せなことでした。
仁坂県政は、前知事の逮捕という和歌山県政史上最大の不名誉からの出発でありました。また、近年いささか地盤沈下をしてきた和歌山県の県勢を取り戻し、元気な和歌山を回復するために奮闘してまいりました。
その結果、この16年間で、これまで和歌山県の発展を阻害してきた要因を取り除き、今後の発展の基礎条件の整備を進めることができたと思います。後はこの基礎条件のもとに優秀な和歌山県民が世界中の人々と協力しながら、雄飛する素地は十分にできたと思います。現に各産業界や県民活動のさまざまな分野で明るい積極的な動きが見られるようになってきました。また、「最近は他県に行っても和歌山県人だということを誇れるようになりました。長い間ありがとう」という言葉をいただいた時は、嬉しくなりました。
これからは新しい知事のもと、すべての県民が力を合わせて明るい未来を切り拓(ひら)いてくれると信じます。そして、再び和歌山県が県勢を回復し、和歌山県の相対的地位が高まり、県民が昔よりも豊かさと幸せを感じられるようになった時、県民の皆さんが過去を振り返り、「仁坂知事の頃の和歌山は今から考えると底だったんだなあ」と思ってくださるようになることが私の願いです。
県民の皆さん、この16年間本当にありがとうございました。皆さんのおかげで本当に楽しく、生まれ故郷和歌山のために仕事をさせていただくことができました。