石崎義公さんの話 その2 「とらわれない発想」

 前回に引き続き石崎義公さんのお話と著作からです。

 石崎さんは、色々考える人で、著作の中に色々なジャンルの話が出てきて、それが私も今まで思いつきもしなかった話で、大変感心しました。いつくか紹介します。

 その1は、「絶対安全設計」ということです。回転ドアの不具合で、ドアに挟まれていたましい犠牲者が出た話について、石崎さんは、ものは故障するのだから、その時にあんな重いものでドアを作るから、挟まったとき命を落としたりするのだ、だから設計が間違っていると言われました。なるほどです。

 その2は、JALのパイロットが頭がおかしくなって着陸の時、また空中にいるとき逆噴射をさせた事件について、そもそも着陸する前に逆噴射なんかする必要は無いのだから、ボタンを押しても効かなくしとかなければいけなかったのではないかと証言されたそうです。なるほどです。

 その3は、新幹線の検札で、今や、コンピュータシステムが発達していて、どの席が売れているのかわかるのだから、売れている席の人を寝ていてもたたき起こして検札などしなくてもよく、売れていない席に座っている人だけ検札をかければよいと言われていました。なるほどです。

 その4は、甲子園で勝ったチームが校歌を歌い、負けたチームは歌わないで退出するが、一回戦で負けたチームは一回も歌えないで甲子園を去り、勝ち進んだチームは何度も何度も歌うというのは変だ。だから負けた方が歌うようにしたらよいと言われました。なるほどです。

 いずれも、そのとおりやろうとすると、ひょっとしたら別の副作用があるかもしれないので、そこも考えて実行すべきでしょうが、いずれも、肝心なことは過去の慣例にとらわれない発想があるということです。
 我々県政を預かる者としては、大事なことは前例を守ることではなくて、県民の幸せを考えるということなんだから、どうすればそれを達成できるかを、とらわれない発想で考えなければならないなと思いました。