退職者のバッチ

 3月30日、23年度で定年退職を迎えられる職員、それに若干早く自主退職される職員合わせて121名全員に一人ずつ退職辞令を渡しました。知事になって改めたことの1つが、この退職者全員に退職辞令を渡すということです。だいたい30数年の長きにわたって県のために尽くして下さった方々ですから、高位の役職に上がった人のみならず全員にごくろう様と申し上げるのが、組織の長たるもののせめてもの努めだと考えてそうすることにしました。

 長い年月のあいだには、うまく行くことも、うまく行かぬことも多々あったと思いますが、皆さん、長い間の御苦労が姿形にも出ています。「長い間ありがとうございました」と声をかけると、苦労した人だけにできる笑顔で辞令を受け取って下さいます。このような毎年卒業していく職員さんたちのおかげで今日の県政がなり立っているのだと思います。残された職員、そして新しく入って来られた職員は、先輩以上のものを県政史上に残してくれるようお願いしたいものだと思います。

 私は各地の県のOB会に時々顔を出させてもらって「大久保彦左衛門」的御意見を拝聴するのを楽しみにしているのですが、その中で生まれた成果が1つあります。
 それは、OBのためのバッチを作ったことです。ある古い(失礼!)OBの話によると、OBバッチは小野知事時代にはあったそうですが、いつかなくなってしまったそうです。県のOBとして残された人生を誇りを持って生きて行くために是非欲しいと言われて、さっそく作りまして、新OBには、記念品としてさし上げています。(以前卒業されたOBには、すみません。有料です。)県のバッチは黒字に銀の県のマーク「ワ」を形どったものですが、OBバッチは背景も銀にし、月桂樹の葉で外を囲み、中心に同じ銀色の「ワ」を配しました。
 いつか、私も知事を辞して、OBになったら、このバッチをいただいて、誇りを持ってそれを胸に付けられるよう、今はしっかりと仕事に励みたいと思います。