詐欺行為の横行①(全2回)

 最近怪しげな電話がよくかかってきます。以前から、露骨な勧誘が結構ありましたが、それはうるさいけれど勧誘は勧誘で、それ自体は犯罪ではありません。最近多いのは、明らかな詐欺電話で、私が経験したものを申し上げますと、「NTTですが、料金が未払いですから、電話を止めなければいけません。」、「東京電力ですが、料金体系が変わりますので、申し込みをしていただけなければあと一週間で電気が止まります。」、「区役所の健康保険課の夜間窓口ですが、あなたにお送りした青い封筒に入っていた、今年から施行の医療費補填措置の申し込みがまだなくて、期限が過ぎています、このままでは以後新しい医療費補助も一切受けられなくなります。ただ、救済措置があり、区役所に来ていただければ対応します。」などなどです。
 詐欺だなとは分かるので、大体はすぐ切ってしまうのですが、世の中にはこういう手合いに騙されてお金を取られてしまう人もいるだろうと思いますし、テレビなどで、この手の詐欺にお年寄りが引っかかったという話がどんどん流れてくるので、元は公務員の仕事をさせてもらっていた私としては少しでも世の中のお役に立とうと思い、こういう時にはどうしたらいいですかと旧知の立派な警察庁OBにお聞きしてみました。そういう時はぜひ110番してやってください、そうすると、警察に詐欺集団のだましのテクニックに関する情報が蓄積されて市民を守る手助けになりますからというのが答えでした。そこで、こういう電話がかかってきたら適当にあしらった後すぐに110番に電話することにしまして、何回か実行しています。そうして詐欺電話の手口を警視庁の方に説明するのですが、窓口の方は、私が単に情報提供で通報しているとは思えないのか、すぐに最寄りの警察署から電話させます、すぐに警官をお伺いさせましょうかと言われるので、そうなるとこちらも煩わしいので、初めからそれには及びませんとこちらからお断りをしています。もちろん警察にとってはいたずら電話だったら困るでしょうから、私の氏名、生年月日、住所など正直に「白状する」ことにしています。どうせこういう輩はワンパターンのだましの手口を使って、近隣一帯に同じ電話をかけているでしょうから、私の通報が市民の方々への注意喚起に結び付けばよいと思ってのことです。我が家の電話は、発信元が表示されるのですが、海外からの発信かなと思わせるような表示が出ることが多いようです。この間は非表示設定でかけてきました。
 また、最近気が付くのは、私のスマホのメールアドレスに大量の、同様な詐欺と思われるメールが入っていることです。幸い迷惑メールではじかれていますが、迷惑メール着信履歴に、よくこんなに沢山のものがと思われるようなものが溜まっています。時々思い出してはまとめて削除していますが。こういう連中の手口は、警察の人の話では、大体は騙された人をATMに誘導してお金を振り込ますのが手口らしいのですが、たまにはそうとも思えないような、手口がよくわからないようなものもあります。そういう時は余計気持ちが悪いですね。

 今のところ、私自身に被害はありませんが、こんなに多くのトライアルがあるということは、世の中には被害を被っている人が少なくないということなのでしょう。こういう詐欺行為もそれなりに人手その他のコストがかかりますから、世の中の人がほとんど引っかからないというのではこういうビジネスは成り立たないと思うからであります。
 しかしそれにしても、よくこういう詐欺行為をやろうとするなあと思います。こんな反社会的な行為に加担する暇があったら、まっとうな正業に就けばまともな収入が少しはあるだろうにという訳です。さらに言うと、この詐欺の手口を考えた人はその企画力はなかなかのもので、その企画力を正業に生かせばきっと有能な人材になれただろうにと思うのであります。考えてみれば、詐欺の手口を考えて、大勢の人を組織化して詐欺電話をかけさせ、そのセリフやおそらくQ&Aを考えて電話のかけ手に教え込み、多くの場合使うATMの扱いなどを研究し、場合によりお金の受け子を組織化したりし、時にはコンピュータシステムを整備したり、個人情報を入手してデータベースを作ったり、・・・考えてみたらこういうことが出来る人は企業でも役所でも大いに欲しい人材だろうにと思います。特にIT操作に弱い私にとっては、ITを活用してそういうことが出来る人は尊敬するのになあという次第です。それがどうしてこういう詐欺行為にその能力を向けてしまうことになるのでしょうか。

②(全2回)へつづく