組織の長としての県知事のあり方 | 2024年9月4日 私が知事を勤めていた和歌山県の近くの兵庫県で、斎藤知事がパワハラ、おねだり体質などの科で兵庫県会でも、マスコミからも大いに指弾を受けています。私は同じ関西の知事で、関西広域連合の会合などで月に1回はじっくりお話しをする[...続きを読む]
何になりたいか、何をしたいか | 2024年3月31日 「末は博士か大臣か」、今の若い人には死語となっているかも知れませんが、私の子供の頃にはよく聞かれました。この言葉は既に少しおちゃらけた感じで使われていましたが、どんな人だって、自分は何になって生計を立てていこうかという[...続きを読む]
認識と行動 | 2022年2月14日 『脱炭素に関しましては、CO2排出の内訳をみますとですね、産業・民生・運輸という風にこの部門が分かれるんですけれども、このうち産業部門は、2020年度のエネルギー消費量でみたときなんですが、45.3%を占めておって、カ[...続きを読む]
後藤田五訓 | 2020年10月26日 菅総理大臣が内閣官房長官から総理大臣になられたので、菅総理大臣のことも書いてある、橋本五郎さんの『官房長官と幹事長』(青春出版社)という本を読んだところ、名官房長官として有名な後藤田正晴さんの「後藤田五訓」が取り上げら[...続きを読む]
友は裏切らない | 2018年10月1日 この言葉を私は、自分を律する規律の一つとして重視しています。友情というと、もっと積極的で、かつエモーショナルな響きがありますが、私は友情を育むという余裕がない時でも、少なくとも友を裏切ることだけはすまいと思っています。[...続きを読む]
政策当局の心意気 | 2017年12月18日 和歌山県は、県民生活に関する事を何でも手がけています。ずっと前から運用している制度に関する事もあるし、長期総合計画に書かれた目玉政策だからと特に力の入っている新しい政策もあります。そしてどのような政策でもそれを担当する[...続きを読む]
忖度 | 2017年5月29日 最近の国政を見ていますと、森友学園への国有地払い下げ問題とか加計学園の獣医学部開設の許可の問題とかで大騒ぎのように見えます。二つの問題はいずれも前者の経営者は安倍総理の夫人の知己で、後者は総理本人の長年の友人であること[...続きを読む]
キャリア官僚 | 2017年4月24日 キャリア官僚という言葉があります。主として国家官僚で上級職のことを指します。最近では一種国家公務員として採用された人のことを指す言葉でマスコミなどで平気で使われるので日本人のほとんどの人が知っている言葉ではないかと思い[...続きを読む]
そうだ、そうだ | 2016年10月31日 今年のノーベル賞の医学・生理学賞を、大隅良典さんが受賞されました。「すべての動植物に備わる生命活動の基本となる仕組み=オートファジー」の研究だそうです。TVでよく出てくるのを拝見する度に、人柄とかが滲み出て業績の中身以[...続きを読む]
豊洲問題に思う | 2016年10月10日 小池百合子東京都知事が誕生し、連日マスコミでその活躍ぶりが報じられています。その中で豊洲市場への移転問題など、大変な問題が明らかになって、これはどういうことだと国民のほとんどの人が思っておられることと思います。色々と大[...続きを読む]
人脈について | 2016年4月11日 4月1日には、毎年大人事異動があります。せっかく仲良くなったのに、また知らない人が来て大迷惑だという県民の皆さんの声もあり、前よりは異動期間を長くしていますが、それでもいつか異動の時がきます。それで私は職員の皆さんに、引[...続きを読む]
真砂さんの言葉、小島さんの言葉 | 2016年2月1日 最近は、職員がよく働いてくれるおかげで、県政のレベルが随分上がってきたと思います。しかし、まだまだ、私にどうしましょうね、やっといて下さいね、と依存している面もたくさんあります。職員が、特に若手がどんどん自分で考えて提案[...続きを読む]
和中魂と徳川頼宜 | 2015年3月23日 私の母校桐蔭高校の前身は和歌山中学ですが、和歌山中学というと忘れてはならないのが和中魂であります。私が高校時代国語を教えていただいた多紀治子先生の父上で、やはり和歌山中学の漢文の先生として尊敬されていた多紀仁之助氏がお[...続きを読む]
徳川頼宜と望遠鏡 | 2015年2月23日 紀州徳川家の開祖は徳川頼宣です。家康の十男で英明、豪胆をうたわれ、家康が晩年最も可愛がった子どもです。家康は将軍職を秀忠に譲ってから江戸を離れ駿府に移り、そこで、まあいわば院政のような事をしますが、その駿府の領主が徳川[...続きを読む]
失言 | 2014年10月20日 私はけっこう思い切って物を言うし、口が悪いものですから、時々失言をいたします。その中で、かなり前に話題になった失言が「切腹しろ」でありました。何という残虐な暴君であろうかということです。 まだ民主党政権の出来る前の事[...続きを読む]
松下瑞應さんのお言葉 | 2014年9月22日 9月16日、和歌山県私立幼稚園協会他主催の「知事と語ろう幼児教育」の会という会合がありまして、幼稚園の経営者、先生そしてPTAの方々と親しく語る機会が出来ました。そこで主催団体から来たる県知事選の推薦をいただいたのですが[...続きを読む]
「知事としては一流、学者としては三流」垣松元島根県知事の思い出 | 2014年9月1日 私は、20代の頃、科学技術庁に出向して原子力安全を担当していました。正確に言うと、それを担当する原子力安全局原子力安全課の総括係長として、局全体の仕事回しと法規法令の整備・解釈、さらには原子力防災対策の事実上の取りまとめ[...続きを読む]
公職選挙法と年賀状 | 2014年1月6日 明けましておめでとうございます。 今年もお正月には年賀状をたくさんいただきました。私も県外の方々に毎年年賀状をお出ししています。 「なに!県内の人には出さないのか。」と言われそうですが、出せないのです。 私のよう[...続きを読む]
空気 | 2013年12月16日 山本七平さんの著書に「空気の研究」というのがあります。日本人は「空気」にすぐ従うというのです。空気とは、その時々の圧倒的に主流となっている考えとか、ムードとか、大勢とかいう言葉とも置き換えられると思いますが、一旦空気が[...続きを読む]
ノーブリス・オブリージュ | 2013年5月13日 ノーブリス・オブリージュ(noblesse oblige)という言葉があります。高い身分に伴う義務という風に辞書には書いてあります。言葉は多分フランス語ですが、英国の騎士道、紳士の道徳としてよく言われる言葉です。 少[...続きを読む]
召命 | 2013年4月1日 ドイツ語に「Beruf」という言葉があります。社会科学の固い本では「召命」という聞き慣れない訳がついています。他に職業という意味もありますが、何故このような二つの意味があるのでしょう。 マックス・ウェーバーによると、[...続きを読む]
50歳の誕生カード | 2013年3月25日 前に書いた「渡辺修さんの思い出」の続きでもう一つ、渡辺さんの日経新聞「あすへの話題」から。2008年3月27日付の「50歳の誕生カード」です。 『もう17年も前になる。1990年12月、50歳の誕生日を迎えた私に米国の[...続きを読む]
渡辺修さんの思い出 | 2013年3月18日 通産省(経済産業省)の先輩に渡辺修さんという方がおられます。事務次官で退官後、ジェトロの理事長や石油資源開発(株)の代表取締役社長などを歴任されました。私が輸入課長の時上司の貿易局長で、何度窮地を救ってもらったか分から[...続きを読む]
1月25日(金)付け毎日新聞 「記者の目」 について | 2013年1月29日 この間、毎日新聞「記者の目」という欄に、「石川貴教」という記者の書いたとんでもない記事がありました。私を不当に貶めていると思いましたので、毎日新聞に大いに抗議していますが、1月29日の記者会見でも論理的にその不当ぶりを[...続きを読む]
心動かされる年賀状 | 2013年1月14日 私は、通商産業省で秘書課研修班長(兼通商産業研修所教務課長)というポストについたことがあります。入省9~10年目ぐらいの生意気ざかりだったのですが、その時は、通産省に入った人の能力をどうやって高めていくかという研修業務[...続きを読む]
へっぽこ役人発生史論 | 2012年9月24日 最近は官僚批判が大変なものがあります。 その中には、第1に正しいものもあります。悪徳役人は糾弾されなければなりません。私腹を肥やすために汚職をするなんていうのは論外ですが、組織防衛(平たく言えば自分たちの利益)のため[...続きを読む]
自分のためか 世のためか | 2012年9月10日 アダム・スミスの説くところによれば、人は皆自己の利益が一番大きくなるように経済的な行動をし、その結果生ずる自由競争によって「神の見えざる手」が働き社会の利益が一番大きくなるということになっています。だから皆自分のために[...続きを読む]
MM | 2012年2月13日 かつてこの欄で、皆様に、私が「KY知事」=空気が読めない知事と言われたことから説き起こして「空気なんか読んでたまるか」と申し上げたことがあります。自己保身のために右顧左眄などしないで、信念を持って、和歌山県のために論理[...続きを読む]
大事は理、小事は情 | 2012年1月23日 私の前職は日本貿易会専務理事でした。わずか1月ほどで辞職してしまったので、大変迷惑をかけたのですが、当時私がお仕えしていた総合商社の会長さんや社長さん、それに貿易会担当であった各社の役員さん、さらには貿易会の職員さん達[...続きを読む]
KY | 2012年1月9日 KYとは空気を読めないという意味だそうです。「Kûki」のKと「Yomenai」のYですね。 今から2年あまり前、政権交代があった時、私はKY知事と言われました。空気を読めない知事だそうです。今でこそ民主党政権も様々[...続きを読む]
脳の話 | 2011年12月26日 和歌山県立医大の板倉学長は脳外科の権威です。ただ学問及び医者としてえらいというだけでなく、脳に関する色々とためになる話を世間に話しておられるし、著作も多く残しておられます。 最近、そのうちの1つの「戦国武将の脳」という[...続きを読む]
ある若い店員さんの話 | 2011年12月16日 最近の出来事です。電車を利用して出張して、ある駅で売店に入りました。パン屋さんです。小さいお店で、おいしそうなパンが並んでいて、若い女性の店員さんがお店を守っておられました。実は私は、メロンパンが大好きで、「このメロン[...続きを読む]
しっかりと | 2011年11月28日 私も今や、政治家でありますが、政治家のよく使う言葉で「しっかりと」という言葉があります。「○○についてはしっかりと調査して、その対応についてはしっかりと措置していく所存であります」といった具合に使います。人によっては、[...続きを読む]
どうしちゃったんだ後輩 | 2011年7月11日 最近経済産業省の役人の不祥事がよく報じられます。原発の報道で、TVでもすっかり有名になった西山英彦審議官が、女性職員と浮気をしている場面をスクープされて役職を降ろされました。西山審議官は、私もかつてそうであった通商政策[...続きを読む]
政治家のあり方 | 2010年9月20日 最近、政治家のあり方について考えました。そしてある所で次のように語りました。 以下、皆さんにもちょっと披露したいと思います。 1 願望と技術 政治家は皆願いがあります。情熱といってもよいかと思います。しかし、それだ[...続きを読む]
行政の長としての知事、政治家としての知事 | 2010年6月2日 2006年の11月、私は決心して「知事選挙に出馬します」と記者の皆さんに発表しました。その時「どんな政治家になりたいですか」と聞かれて 「私は行政の長としての立派な知事になりたいので、政治家としての知事になりたいわけでは[...続きを読む]